
かつての美しい島の再生へ。豊島産オリーブのスキンケア
こちらは瀬戸内海の東部、香川県に属する豊島(てしま)です。
古くは瀬戸内航路の要衝として栄え、漁業や農業を中心に人々の暮らしが育まれてきました。島の随所には長い歴史を感じさせる美しい棚田や清らかな湧き水が広がり、穏やかな自然とともに豊かな文化が息づいています。
1934年、日本で初めて瀬戸内海国立公園の一部として指定され、近年では、瀬戸内国際芸術祭の開催をきっかけに、「アートの島」としても注目を集めています。瀬戸内の温暖な気候も恵まれ、オリーブやレモン、イチゴ、みかん、棚田米などの名産品が知られています。

みなさんはこの島で起こった、日本最大級の有害産業廃棄物(以下:産廃)の不法投棄事件「豊島事件」をご存じでしょうか。
現在の美しい島の風景からは想像もできないことですが、かつて豊島の北西部の水ヶ浦一角に約100万トン以上もの産廃が不法投棄され続けていたのです。
1965年頃から土地を所有する業者によって、水ヶ浦の土砂が大量に採られるようになり、業者はこの跡地に有害産業廃棄物処分場を計画しました。計画に対して住民たちは猛反対し、香川県庁にデモ行進をおこないましたが、その甲斐も虚しく、香川県が1978年に事業許可を出し、業者はほどなくして産廃の不法処理を始めました。
それから12年以上ものあいだ、船で日々産廃が持ち込まれ、野焼きされ続けてきた結果、「ゴミの島」と揶揄されるほどに環境が変わってしまいました。
当時はこちらの産廃跡地の目に見える場所一帯がすべて埋め尽くされるほど、とてつもない量の不法産廃が放置されていました。


環境は破壊され、土壌や水質は汚染され、野焼きによる呼吸器の健康被害などが起こり、島民のみなさんは何年ものあいだ行政に被害を訴え続けました。しかし香川県による監督の不備、廃棄物処理業者からの強い圧力や当時の法整備の未熟さが重なり、事件摘発まで十数年もの時を要しました。
そして1993年、豊島住民は最後の手段である公害調停を申請。150日間の香川県庁前での抗議、東京銀座で廃棄物を掲げたキャラバン、県内100箇所の座談会など、島中が一体となって「豊かな島」を守るため、抗議活動を続けました。
今回豊島を案内してくださったのは、廃棄物対策豊島住民会議の事務局長、安岐正三さん。豊島事件解決のために、50年ものあいだ活動の中心となり、2000年の公害調停の成立後も水ヶ浦の再生活動に精力的に取り組んでいらっしゃいます。
この場所は「豊島のこころ資料館」。豊島事件のさまざまな記録や産業廃棄物の現物などが展示されています。この建物自体がなんと不法投棄をした業者の事務所だったそうです。安岐さんいわく「広島の原爆ドームのように現物を後世に残す必要があると考えた」とのことでした。



※不法投棄された有害産業廃棄物の剥ぎ取り標本 豊島のこころ資料館
公害調停は2000年にようやく成立し、香川県知事が住民に謝罪をし、県は産廃の完全撤去および水ヶ浦の原状回復を約束しました。調停は成立したものの、そこから産業廃棄物を撤去するまでの道のりは長いものでした。第二・第三の豊島を生まないため、徹底的な無害化処理を目指し、毎日およそ300トン以上もの廃棄物を直島の処理施設へ運び出す作業がおこなわれました。最終的に当初の予定を5年以上もオーバーして、作業は2017年まで続きました。
現在も地下水が環境基準に達していないなどの課題は多く残るものの、美しい島を取り戻すための活動を続けています。安岐さんは「自分が小さいころの水ヶ浦は、子供ごころに涙が出るほど美しく、自然が豊かで生き物がたくさん住んでいた」とのことで、いまもなお積極的に活動をおこなっています。

2000年の公害調停成立をきっかけに、建築家の安藤忠雄氏と、豊島事件弁護団長の中坊公平氏が呼びかけ人となってNPO法人「瀬戸内オリーブ基金」さんが発足されました。瀬戸内海エリアの美しい自然環境を守り、再生することを目的に活動し、さらに豊島事件の意義と教訓を伝える環境教育活動をおこなっています。
中坊公平氏は「決意と希望の象徴」として、豊島にオリーブを植樹することを提案。島のみなさんで育て続けられてきました。現在は瀬戸内オリーブ基金さんが管理をし、エキストラバージンオリーブオイルを生産販売しています。豊島の方々によって大切に育まれ、一粒一粒手摘みされてつくられたオリーブオイルです。製品の売上は団体の活動費として瀬戸内海エリアの環境保全活動に使われています。
私たちは瀬戸内オリーブ基金さんと協業し、豊島事件についての認知を広げる活動のお手伝い、そして豊島の象徴ともいえるオリーブをつかったスキンケア製品を販売することになりました。
製造はStandard Productsのロングセラー商品であるスキンケア商品を手掛ける進製作所さんにお願いをしています。
*販売中のスキンケア商品の詳細はこちらからご覧いただけます。

今回販売する「SETOUCHI OLIVE*」のラインナップはフェイスマスク8枚入、3枚入、リップクリーム、洗顔石鹸の4種類。そのまま飲用しても濃厚な味わいのオリーブオイル*ですが、実はお肌にうれしい成分がたくさん入っています。
オリーブ果実油*は水分蒸発を防ぎ、皮膚をやわらかくする保湿効果にすぐれています。
さらに角質ケアの効果が期待できる、生口島(いくちじま)レモン果汁*も採用することで、植物由来の成分配合のスキンケアのシリーズになりました。
【洗顔石鹸】
オリーブオイル*を含めた植物性の油脂100%で、鳥取県大山の名水を使用。じっくり低温で1ヶ月以上熟成させるコールドプロセス製法により、レモン果汁*などの熱に弱い美容成分の配合を実現。洗顔後に肌がつっぱらず、やわらかなお肌に仕上がります。お肌へのやさしさを考えて防腐剤、酸化防止剤、石油系界面活性剤などは無添加*です。
【フェイスマスク】
オリーブ果実油*、オリーブ葉エキス*、レモン果汁*、シロツメクサエキス*、オクラ果実エキス*などお肌にうれしい美容成分にこだわったフェイスマスクです。同じく鳥取県大山の天然水を使っており、鉱物油、石油系界面活性剤、エタノール、タール色素、紫外線吸収剤は使用せず無添加*にこだわりました。
【リップクリーム】
オリーブオイル*とレモン果汁*など、自然由来の保湿成分を配合した無添加*リップクリームなので、成分が気になる方にも使いやすいリップクリームです。エモリエント効果で、水分の蒸発を抑え、唇のうるおいを保ちます*。


こちらはオリーブ収穫の様子。ちょうど取材をおこなった前日からオリーブの収穫が開始されたそうです。この時期はまだ日差しも強く、脚立にのぼっての高所作業もあり、体力的に大変な作業が続きます。


そして傷がついたものや病気のものがないかを手作業で選別したあと、搾油の作業に入ります。今回販売するスキンケア商品は収穫から24時間以内に搾油をしていただいているそうで、とても新鮮な状態のオリーブオイル*が配合されています。


搾油したてのオリーブオイル*は澄み切った美しい黄金色をしています。
通常の製品はこのあと不純物が混じらないよう濾過作業がおこなわれるのですが、特別に搾油直後のオイルを試飲させていただきました。
風味が完全に残った純度100%のオリーブオイル*は非常に香り高く、濃厚で深い味わいが鮮烈な印象を残します。こんな上質なオイルをスキンケアに使うなんて贅沢すぎる気もしてしまいますが、その甲斐もあってとても上質なスキンケア商品が誕生しました。


豊島事件の公害によって植生が破壊された地域は285,000m²以上にものぼるといわれており、すべてがもとに戻るにはまだまだ長い時間がかかります。
瀬戸内オリーブ基金さんはこれまで17万本以上の植樹をはじめ、海ゴミの撤去など環境保全を寄付金や助成金を中心に活動されています。
私たちも微力ながら、オリーブスキンケア商品の売り上げの一部を寄付させていただいています。
今回をきっかけに豊島事件のこと、そして瀬戸内オリーブ基金さんの活動についてご興味を持っていただけますと幸いです。
瀬戸内オリーブ基金
個人・法人サポーター募集中
豊島事件について
【フェイスマスク】*SETOUCHI OLIVE:オリーブ果実油(保湿成分)/ オリーブオイル:オリーブ果実油(保湿成分)/ オリーブ果実油:オリーブ果実油(保湿成分)/ オリーブ葉エキス:オリーブ葉エキス(保湿成分)/ レモン果汁:レモン果汁(保湿成分)/ シロツメクサエキス:シロツメクサエキス(保湿成分)/ オクラ果実エキス:オクラ果実エキス(保湿成分)/ 無添加:鉱物油、石油系界面活性剤、合成香料、合成色素、合成乳化剤、エタノール、タール色素、シリコーン、紫外線吸収剤不使用
【洗顔石鹸】*オリーブオイル:オリーブ果実油(保湿成分)/ レモン果汁:レモン果汁(保湿成分)/ 無添加:エデト酸塩、防腐剤、石油系界面活性剤、合成香料、鉱物油、合成色素、合成乳化剤、酸化防止剤不使用
【リップクリーム】*オリーブオイル:オリーブ果実油(保湿成分)/ レモン果汁:レモン果汁(保湿成分)/ 無添加:防腐剤、石油系界面活性剤、合成香料、鉱物油、合成色素、合成乳化剤不使用 / 水分の蒸発を抑え、唇のうるおいを保ちます:口唇の乾燥によるかさつきを防ぐ

